群馬県 高崎市 小児科 小児神経科
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ミルク、母乳、牛乳について

母乳と乳児用調整粉乳(普通ミルク)とフォローアップミルクと牛乳について
 
主に9カ月健診の際に、
「普通ミルクをフォローアップミルクに変えたほうがよいのか」
「完全母乳だったが、フォローアップミルクを足した方がよいのか」

などのご質問をいただくことがあります。
 
結論からお話しすると、
フォローアップミルクの利点は、普通ミルクよりも鉄分、カルシウムが強化されていることなので、
もし離乳食が順調に進んで1日3回となっていて、
鉄分、カルシウム、ビタミンDなどが十分にとれているようでしたら、
無理に普通ミルクをフォローアップミルクに変えたり、
離乳食の他は母乳だけだったのを新たにフォローアップミルクを購入して飲ませ始めたりしなくても、
それほど問題にはならないと思います。

ただ、実際には、9カ月ころの離乳食の内容を考えると、
レバーや魚や赤身の肉などの食品は摂取量が不足しがちだと思います。
 
フォローアップミルクは、
9カ月以降に不足しがちな栄養素が強化されていますし、
普通ミルクよりも価格はやや低めなので、
普通ミルクを使用されている方は
今お手持ちの普通ミルクを使い終わったタイミングでフォローアップミルクに切り替える
母乳のみだった方は、哺乳瓶が好きでないことも多いので
離乳食の食材としてフォローアップミルクを使ってみる
というのはお勧めしたいと思います。

なお、フォローアップミルクの開始時期が9カ月からとなっているのは、
タンパク質の含有量が多く、小さい赤ちゃんには負担が大きいためで、
さらにタンパク質含有量の多い牛乳を飲料として飲ませる場合は
1歳以降がお勧めです。
ただ、離乳食の食材として少量使用する分には早い時期でも問題ありません。
(ただし、乳アレルギーの場合は使用できません)
 
なお、ご参考までに、
成分の一部を比較したものを一覧としてみますと、以下のとおりとなります。
 
成分(いずれも100ml中)

 
 
人乳
 
乳児用調整粉乳
 
フォローアップミルク
 
牛乳
 
エネルギー(kcal)
 
66
 
66.4-68.3
 
64.4-66.4
 
69
 
総脂質(g)
 
3.6
 
3.51-3.61
 
2.52-2.95
 
3.9
 
タンパク質(g)
 
1.1
 
1.43-1.60
 
1.96-2.11
 
3.4
 
鉄(mg)
 
0.04
 
0.78-0.99
 
1.1-1.3
 
0.02
 
カルシウム(mg)
 
27
 
44-51
 
87-101
 
114
 
ビタミンD(μg)
 
0.3
 
0.85-1.2
 
0.66-0.98
 
0.3
 
(小児科臨床 Vol.9 No11 2016 p144より一部引用)
 
(補足ですが、母乳中の鉄分含有量は低いですが、普通ミルクよりも吸収効率が高いといわれています。)